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私的蹴球論 19 形だけのバルセロナ化は禁止!

冒頭のタイトルは何だ?という話である。そもそも形だけのバルセロナ化に失敗してJ2でズンドコしているのはおまえらジェフ千葉だろ、自分の都合の悪い話は耳を塞いでおくとする。そうしたわけで本題に入りたい。

冒頭にある形だけのバルセロナ化というのは大きく分けて2つの意味がある。1つはもう行ってしまったことであるが、いまをときめく世界中のサッカーマンの憧れであるFCバルセロナのサッカーというのを自分たちもできると思って、安易に模倣しようとするサッカークラブや監督の増加である。

自分はこんなブログを書いていてなんであるが、正直サッカーの戦術というのを茶案と追いかけている人間ではない。厳密にいうと追いかけていないわけではないのだが、サッカーの戦術のブログを書いたとしても、自分より戦術理解度が高いサッカーブロガーというのは山ほどいるので、どうしても戦術中心のブログというのを書く気になれないのである。

それはそうと日本のサッカーを見ていて思うのだが、サッカーの衛星中継を見てバルサのサッカーが凄いっ!と思って簡単にああいうサッカーができると思ってしまう監督やフロントが多すぎる気がする。

当たり前であるが、バルセロナのサッカーというのは亡くなったヨハン・クライフが異国であるスペインという地で何十年という歳月と「無様に勝つくらいなら美しく散ったほうがましだ」というある種のクレイジーで変態な哲学をワインの熟成のように時間をかけてじっくり成長させた一種の芸術なのである。

それをインターネットが普及したからと言ってなんでも簡単に瞬時にバルサのサッカーがネットショッピングのように気軽に手軽に入手できると思ってしまうサッカー関係者が後を絶たない。憤懣やるかたない。

もう1つの形だけのバルセロナ化の禁止というのは(こちらのほうが重要なのだが)、バルセロナという地域の歴史を軽視していることだ。

FCバルセロナのエンブレムに黄色と赤の縞模様があるがあれはバルセロナのあるカタルーニャ自治州の旗からきている(余談だが隣の白地に赤十字の模様はカタルーニャ守護聖人であるサンジョルディ〔セントジョージ〕の象徴を表している)。

話を戻す。この黄色と赤の縞模様のカタルーニャ自治州の旗に青い三角形に白い星を付け加えた旗もある。

これはesteladaといい、日本語読みをすると「星付き国旗」と読む。この旗を持つ日本のサッカーファンもたまに目にする。しかしこの旗を持つのはマナー違反だ。

この旗は1898年に米西戦争でスペインがアメリカに敗北したときにキューバがスペインから独立できたので、キューバにあやかってカタルーニャマドリード(スペイン)から独立したいという、極めて政治的にデリケートなメッセージな意味を持つ旗である。少なくとも外国人である日本人が気軽に持つものではない。

サッカーの日韓戦で旭日旗を持ったら政治的に紛糾してしまうのと同様に、ヨーロッパでも東アジア同様に歴史的かつ政治的な摩擦というのほとんどの国で抱えているのである。

問題はそうしたヨーロッパの歴史的な背景というのを考慮せずに、サッカーメディア含めて表面的なバルセロナ化に終始しているという点にある。

バルセロナのサッカーが素晴らしいというのは自由だが、その裏にあるバルセロナの歴史の持つ本質というモノにも目を向けるべきだ。