私的蹴球論 7 サッカーはスポーツビジネスに向かない⁉
今回のタイトルはのっけからセンセーショナルなお題であるが、先へ進めていこう。
筆者のブログはサッカーとバスケを中心としたスポーツビジネスのブログである。このブログを書いているのは主としてサッカーシーズンであるので、今はサッカーのブログが中心になっている。
こうした中でなぜ今回のブログを書くようになったのかをこれから説明していきたい。
今、世界中の資産家がサッカーがビジネスになると自分の持つ資金をサッカー界に流入させようとしている。
そうした資産家は選手や指導者を金で買って、そのまま勝利につながると考えている。
しかし、そうした考えというのは本当に真実なのかという話である。
先日このブログで選手を買ったからと言って勝利まで買えるわけではないという話をした。それはたるんだ腹をした金持ちが高級スポーツジムの会員になることはできても、マッチョな身体になるにはまた別問題だという話や、外国語を覚えたい金持ちが高い参考書を買ってもその外国語をマスターするということとはまた別だという話に似ている。
ここからサッカービジネスの話にしていきたいのだがサッカーというのは基本的に11人の選手で戦うスポーツである。一人大物選手が加入してもチーム全体としては10分の1以下に過ぎないのである。
ならそうした大物を増やせばいいのか?しかし選手の補強が即チームの強化につながるという考え方は安直だ。元日本代表監督のイビチャ・オシムの言葉にこんな言葉がある。
「バルセロナは、ガレージに10台のメルセデスが駐車してある。さらに1台のメルセデスを買って駐車する場所を探さねばならない。だが、現実にはもう場所がない。」
サッカーにおいてこうした金満補強でチームを束ねるフロント側が大物選手に媚びてしまい束ねる糸がこんがらがって空中分解してしまったクラブは世界中にごまんとある。
そうしたサッカーにおける金満補強の形骸化というのは他のスポーツより如実に浮き彫りになりやすい。
野球みたく投手陣とクリーンナップをしっかりそろえれば得点の計算がしやすい競技ではなく、バスケットのように4番(パワーフォワード・桜木花道のポジション)と5番(センター・ゴール下の番人・ゴリのポジション)というゴリゴリマッチョな役割のポジションに2mクラスの屈強な外国出身選手を補強してオフェンスリバウンドをとればBリーグで降格圏内は免れるという、補強のポイントが明確にさせやすいスポーツでもない。
補強という部分でもそうだがサッカーというスポーツは基本的に屋外競技で天候にも左右されやすい。これもマイナス要因だ。
他にもサッカーは週1回しか試合できないうえに1試合のトータルの得点数が1点という究極のロースコアゲームだ。バスケットやハンドボールのように1試合で二桁得点が当たり前というスポーツでもない。
それはサッカーというスポーツがそれだけ不確定要素が大きく前述の大物選手補強しても、補強したお金が無駄になりやすいことを指す。
繰り返すがサッカーは野球やバスケットのように補強ポイントが明確になっているわけでもない。補強しても大物選手はチーム全体の11分の1に過ぎなくなって埋没してしまう。
そのうえでチーム全体で価値観を共有する必要がある。突出した存在のエゴがかえって邪魔になる可能性もある。