サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的蹴球論 17 ゴール裏の型破りな応援

前回のブログが浦和ネタだったので、今回もまた浦和ネタで行きたい。

先日西が丘サッカー場JFLの試合を見に行っていたとき隣のサッカーコーチのお父さんグループが話していたことがあった。

「浦和のサポーターというのはよく言えば硬派でバンカラ、わるくいえばやんちゃなところがある」

埼スタに初めて来た観戦初心者の観客が笑っていると古参の浦和サポが『笑ってんじゃねぇ』『死ぬ気で応援しろ』と怒り出して、言われた側は二度と埼スタに来なくなる人が多い」

個人的に埼スタに入ったことはないのだが、言わんとすることはよくわかる。こういう初期の強烈なトラウマがアンチサッカーを生み出してしまうのである。

そしてひいては「私は埼玉が好き。サッカーも好き。でも埼玉のサッカーは嫌い」という人種を拡大再生産してしまうように思えてならない。

前回述べたように浦和のサポの熱狂というのはJ2のサポからすると一目も二目も置いている部分もある。

だからこそこうしたスタジアム内の流れというのが浦和サポの財産をサポ自身が自滅するように潰してしまっているように見えてならない。

浦和に限った話ではないのだがこういう初期型サポーターの形式というものに令和に入っていい加減脱皮したほうがいいように感じる。

歌舞伎の世界では一つの演目を延々と100回同じようにやってそのあと初めて違う様式の歌舞伎を行う。こういうやり方を「型破り」といって、最初からやりたい放題やるのは「型なし」であって似ているようで全然違うものであるという。

日本のJリーグのサポーターがやる応援様式も旧型の欧州や南米の応援様式から型を破って脱皮する時期に来ている時期にあるように見える。

浦和に限らずJのクラブにそれぞれの応援スタイルの伝統があるのは重々承知だ。そうした伝統が歴史を構築していくのも知っている。

しかしもうじき2020年代も間近になった現在において、我々Jリーグのゴール裏もそろそろ型破りの時期に来ている。もう1990年代の応援というのは必要なくなりつつあるように見えてきた。

野球の応援にしても昭和の頃は殺伐としていて女性や子供が気軽に入れる要素は皆無であったという。

しかし今ではカープ女子のような若くておしゃれな女性も入れるようなスタジアムづくりがなされている。

正直そういう勝ち負けに左右されない楽しい客席づくりというのが野球にできてサッカーにできないということはないと思う。

もうじき東京五輪も控えているが蹴球文化を担っているのは一過性で水物な結果ではなく、継続的に楽しいと思わせるファンの雰囲気づくりにある。

そのためにも浦和を中心としたJの強豪クラブには殺伐とした雰囲気から脱皮した「型破り」な応援というのを望みたい。