サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 2 「その先の領域」

筆者も昔の別の無料ブログからスポーツビジネス論のことはいろいろ考えてきた。そうした中でのスポーツの現金化に関する問題。ひいてはそのクラブがどういうサッカーをすればクラブとして生き残っていけるのか?ということは常々考えてきたわけである。

そうした中でのスポーツビジネス論。サッカー界における昇格をコンテンツにする限界とどういうサッカーを自分たちは理想にして上位クラブと戦っていくかということについて今回は考えていきたい。

いきなりで恐縮だが、今のサッカー界で多いのは昇格すれば何とかなるという考え方のクラブやサポが多すぎるということである。

以前信州サッカーを描いた傑作映画「クラシコ」で長野パルセイロのフロントが「昇格して上がっていくのも地獄。降格して落ちていくのも地獄。同じ地獄ならまだ上がっていったほうがいい」と言っていたことがあったが、スポーツビジネスというのは昇格すればするほど上位陣は強くなるので勢いだけでは通用しなくなる過酷なリーグだというのを理解しないといけない。

つまりはサッカーのような昇降格制度があるリーグには、昇格したら何とかなるという考え方ではなく昇格した後にも自分たちはこういうサッカーでJ1でたたっかて行きたいんだというビジョンがないと上位リーグの強者どもの餌食になってしまう。

こうしたなかで上位リーグの昇格だけで何とかなるわけないというのが、プロバスケBリーグである。

Bリーグのライジングゼファー福岡は2016-17シーズンのリーグ初年度はB3からスタートして2年でB1まで最短昇格を果たす。

しかしそれまでのクラブ運営の強化策の無理がたたったのか、2018-19シーズンには経営難の問題が発覚。クラブの財政上の問題から、B1ライセンスが発行されず、2019-20シーズンはB2での再起を余儀なくされた。

また八王子ビートレインズというチームも2017-18シーズンはB3で圧倒的な実力で同リーグを制覇したにもかかわらず、よく2018-19シーズンは選手補強の失敗で選手数5人というあり得ない状況になって、クラブのマネジメントミスにより一年での降格が決まった。

こうした中で何が言いたいのかといえば、プロバスケの事例からもわかるようにサッカーもまた昇格をコンテンツにするビジネスモデルに限界があるということである。

昇格して上のリーグにいるということはそれだけの負けないための工夫ができるということであって、そうした策士が対策を練って勢いに乗った昇格組の流れをそいで無力化させるというのはサッカーでもバスケででもここ数年数多くみられてきた。

そうした中で昇格クラブに必要なのは昇格したら何とかなるではなく、自分たちはどういったサッカー(バスケ)で上位リーグで戦っていきたいのかという高度な哲学が必要なのである。

つまりは昇格というのは一種の通過点であって大事なのは昇格した後のビジョンである。

 

 

 

 

つまり、何が言いたいのかと言えば、こうしたプロバスケの事例からわかるように、サッカーのような競技でも昇格をコンテンツにするスポーツビジネスというのにはおのずと限界があって、フロントやサポーターというのは昇格をした後、昇格後の「その先の領域」をも見据えた高度なクラブ運営というものを求められていく。