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私的蹴球論 8 夏の天皇杯・ジャイアントキリングを想う・・・

少し前の話になるのだが、今月(2019年7月)上旬に日本各地でサッカー天皇杯の予選が繰り広げられ、勝って当然のJ1クラブとジャイアントキリング(大物食い)を虎視眈々と狙う下部カテゴリーや大学生のチームとの仁義なき戦いがピッチ上で勃発した。

結果はJFL(4部リーグ・アマチュアの全国リーグ)のHonda FCがJ1の北海道コンサドーレ札幌に4‐2で勝利したり、同じくJFLヴィアティン三重がJ1の湘南ベルマーレに4‐0の圧勝。大学生も鹿屋体育大学がJ1名古屋グランパスに3‐0で勝利。法政大学が東京ヴェルディ(J2)に2‐0と下部カテゴリーや大学生の躍進が目立つ夏の天皇杯であった。

もっとも現在J1no松本山雅地域リーグ(当時4部)の頃に、地元に浦和レッズを迎えて天皇杯を戦い、その浦和を撃破し「アルウィン劇場」をやってのけたことによって当時はまだマイナーだった松本市のサッカー急速にメジャーになるきっかけだったのもこうした天皇杯である。

しかし、ここ3~4年下部カテゴリーや大学サッカーを観戦する機会に恵まれていると思うのだが、今の下部カテゴリーや大学生チームというのは実は相当力をつけてきているように感じる。

今年も筆者は4月に浦安市天皇杯千葉県予選を観戦したが、関東1部リーグ(5部)の社会人チームよりもそれほど有名ではない大学生チームのほうが練習環境含めて恵まれていそうだし、事実強かったように感じる。

その一方で下部リーグ自体もクラブのフロントが運営に対する経験値を蓄えてきて地域リーグ(関東1部リーグや九州リーグなど)といった5部リーグのチームとJ3のチームもしくはJ1の控えチームとでは戦力差が拮抗してきているように感じる。

今年のGWに浜松まで観戦しに行ったHonda FCもサッカーの質は高い。セカンドキャリアのことを考えて大手企業でサッカーを続けながら仕事ができる環境なのでサッカーエリートには人気のチームで、選手のサッカーIQも高く技術やフィジカルの質も高いので、アマチュアカテゴリーに詳しい人からすればHonda FCがJ1に勝てることは別に驚くことではないという。クラブのポテンシャルで言ったら、J2のプレーオフ圏内で昇格争いできるのでは?と思うくらいだ(監督もJ1クラブを天皇杯で倒すことを目標にして、有言実行でそれを果たす漢ぶり)。

先ほど大学生チームが関東1部より強いといったが、関東1部リーグは最近よく観戦しに行くのだが、関東1部の栃木シティやVONDS市原・TOKYO UNITEDあたりはJ2残留できそうなくらいのポテンシャルを持っている。

今回は夏の天皇杯ジャイアントキリングから見る下部リーグや大学生ちーむの着実な成長を紹介したが、普段生活しているとJ1と日本代表にあらずんばサッカーチームにあらず、みたいな風潮に支配されそうな昨今であるが、今の学生チームや下部リーグというのは間違いなく強くなっているのは確かである。