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私的スポーツビジネス論 4 東京五輪の後は・・・

いまこのブログを書いている2019年6月15日現在、東京五輪に対する熱狂というのが日に日に増していく感がある。

自分の勤めている会社にもパラリンピックの陸上選手がいるし、親会社もオリンピックやパラリンピックと接点があるので、こうした熱というものに関してはどうしても感じてしまうものである。

もちろん東京五輪というものは成功してもらいたいし筆者のような凡百な一市民でも何ができるのかを考えてしまうというのも多々ある。

しかし、その一方で東京五輪というものの存在に疑問を持ってしまう自分がいることもまた事実である。本当に東京五輪は大丈夫なのか?という話だ。

今現在において東京五輪というのは未来のイベントであり今後の日本の諸問題をすべて解決してくれる特効薬のように扱われている。

しかし、それはまやかしに思えてならない。

2002年のサッカーW杯日韓大会の時がそうだったが、日韓大会の時に作られたスタジアムというのは地方創生のシンボルとして地方都市のコミュニティの柱となるような存在にしようと、日本各地に100億円単位の金と投入して建築した経緯がある。

しかしこうしたスタジアムのほとんどがアクセスが悪い、会場の一体感がない、収益率が悪い、で地元住民からそっぽを向かれたがらくたのような建造物と化したスタジアムである(余談であるがお隣韓国も日韓大会で作られたサッカースタジアムで利益を上げているのはソウルくらいでほとんどは赤字だという。W杯日韓大会は単なるFIFAと日本&韓国のサッカー協会の内部抗争による産物にすぎなかったというのだ)。

そして日韓大会以後もサッカーに注目が集まるのはもっぱら日本代表ぐらいでJリーグを中心としたクラブチームというのはほとんどが経営が苦しいのが実情だ。

自分個人の意見として声を大にして言いたいこととしては東京五輪というイベントは来年(2020年)必ず終わる、ということ。

いまはあたかも東京五輪というイベントが未来永劫続いていき、なおかつその東京五輪が日本の少子化などの深刻な社会問題を勝手に解決してくれる、思っている人が多いが、2002年のサッカーW杯日韓大会の後の日本という国が本当に幸せになりましたか?という話である。

少し話題を横滑りするが日本の自殺率は1997年あたりから急上昇し2002年以降もずっと高止まりしていた。出生率もこの時期もずっと低下し続けていた(ちなみに韓国も自殺率・出生率ともに世界最悪の水準である)。

要はサッカーW杯日韓大会というのは少なくとも日本人や韓国人を幸せにしたスポーツイベントではなかったということである(これらの社会問題のすべてがW杯の責任というわけではないが、W杯に社会問題を解決する能力はないのがわかる)。

そうしたうえでの東京五輪である。東京五輪も開催期間はもりあがるであろう。筆者も応援はする。しかし大会は必ず終わる。五輪が終わった時に日本に何が残るかというのをリアルに想像する必要がある。