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私的籠球論 23 厳然たる実力差……SR渋谷の現在地

筆者は実業団時代からSR渋谷の試合を見ているが、今回の2020‐21シーズンのSR渋谷が一番強かったように思える。しかしその一方で川崎や千葉といったBリーグのアイコンになっているような強豪チームに比べると厳然たる実力差があろうに思えてならない。

2021年4月に墨田区体育館でSR渋谷が千葉と対戦した。この時千葉はコロナの陽性反応が出たせいで4日前まで全体練習もできず、保健所の指導の下に外出制限まであった厳しい状態であった。

一方でSR渋谷は練習や試合をバンバンこなすことができてコンディションも試合勘も充実しきった状態で試合に臨めた。

こうしたある意味アンフェアな状況の中での試合。試合はSR渋谷の一方的な状況になるかと思っていた。

しかし試合はそうはならずに拮抗した展開に終始した。SR渋谷は得点源のライアン・ケリーがゴールの荒稼ぎをしたので試合は結局91‐85でSR渋谷が勝利したが、正直試合4日前まで練習ができなかったチームに僅差の勝利はというのも少し複雑な気持ちになった。

後この試合で気になったシーンというのは千葉の富樫勇樹がSR渋谷のベンドラメ礼生とのマッチアップであっさり剣道の抜き胴のような感じで抜いて言ったシーンがあった。

再三いうがこの日の千葉は練習ができず本調子ではなかった。それでもあっさり抜かれる。SR渋谷と千葉に実力差を感じる試合であった。

その後大型連休を使って、アウェーの川崎vsSR渋谷戦も見に行った。正直日本一になるチームの実力というのはこういうものかというのをまざまざと感じることとなる。

日本代表のホットラインとなるニック・ファジーカスと篠山竜青のピックアンドロールにSR渋谷は再三翻弄され続けた。またファジーカスが帰化選手ということもあってベンチ入りできる選手が増えたことにより、コート上に立つ川崎の外国出身選手が高く分厚い壁のようにそびえ立ち、SR渋谷が何度立ち向かっても跳ね返されるような分厚さというものを感じた。

客観的に見てSR渋谷にしても悪いチームではないのである。B1の中堅クラスのチームであったら余裕で20点差をつけられるような試合運びで快勝できるようなチームなのである。

しかしプレーオフで負けた宇都宮もそうなのだが、Bリーグのアイコンのようなチーム相手にリーグ戦の優勝争いをするには何か小さなピースが欠けているように感じる。ほんのごくわずかな小さなピース。しかしそのピースがなければ日本一にはなれない。リーグ優勝できない。その小さなピースが何なのかがわからない。

ただ個人的に思うのだがよく言う「傭兵頼み」ではなく日本出身選手の実力を向上させないと今のSR渋谷にBリーグ優勝は無理なような感じはする。

今シーズンはSR渋谷の試合を定期的に観戦するようになって最も充実していたチームだけあって日本一になれなかったのは悔しい。しかしこれが今の実力であるのも確かである。SR渋谷には捲土重来を期して来シーズンこそ笑顔になってもらいたいものである。