サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的籠球論 21 下位打線でも気は抜けない

バスケの記事なのになぜ野球?ちゃんと意味があるのでご清聴願いたい。

 

以前プロ野球で、当時現役であった山本昌がプロと高校野球の違いについて「プロと高校野球では重圧が全然違う。よくプロ野球を見ている人でも、打順が下位だから打ち取れるだろうとおもうかもしれないけど、向こうも生活が懸かっているから気持ちの入り方が違う。そうした意味でプロに入ったら学生時代とは集中力や体力の消耗度というのが全く変わってくるのです」というコメントがあった。

同じような話はボクシングでも聞いたことがある。あるアマチュア出身の王者が「プロとアマの違いは拳に乗っかってくる気持ちの重さ。人生をかけてパンチを打ってくる。アマチュアの技術の向上とは絶対的に違う」と言っていたが、球技でも格闘技でもアマチュアの世界からプロに飛び込むとどの選手でも一番最初に言ってくるのはこうした気迫の部分にみえる。

そうした世界を部分的ながらも経験してきたプロスポーツの世界。今までかかわってきたスポーツに区切りもついてきて、新たに飛び込んでみたプロバスケの試合。しかし、この世界でもご多分に漏れずプロの気持ちと分析力・生活のかかり方の違いは同じであった。

2020年12月に筆者の地元・錦糸町横浜ビーコルセアーズというチームが乗り込んできて、筆者が応援するSR渋谷と対戦することになった。

横浜はBリーグ発足当初から残留プレーオフの常連になっている(言葉は悪いが)下位のチーム。この試合でも黒星先行で厳しい状況には変わりはなかった。

試合は案の定一方的なSR渋谷のペース。第3Qのタイムアウトで既に18点差がついてこのままぶっちぎるかと思われた。

しかしこの時の横浜もやはり前述のプロスポーツに関わる戦闘集団であるには変わりはなかった。

横浜のヘッドコーチが具体的なSR渋谷の弱点を試合中に見抜いて分析すると、そのタイムアウトできっちり修正をかけてくる。

すると圧倒的な点差があった試合の状況が一気に急変。横浜の猛追によって第4Qの中盤には3点差にまで詰め寄られた。

正直に言って客席にいて観戦していた筆者は相当焦る。星勘定が計算できる横浜に足元をすくわれるのかと周章狼狽した。

しかしここでオフィシャルタイムアウトが入って、SR渋谷も修正ができる。

ここで本来の実力を発揮できるようになったSR渋谷は一気に12連続得点を重ね、最後は大差で勝利。

しかし筆者にとってスコアの差以上に競った試合に見えた。そして順位が下位のチームでも生活が懸かっているチームというものを甘く見ているとあっという間に食われる側に回ってしまうというのも分かった。

何気なく見に行った地元・錦糸町プロバスケ観戦。しかしそこにもほかのプロスポーツ同様のプロの厳しさや怖さを痛感した。