私的蹴球論 36 嫌な仕事に運がある
物事どこでどうなるかなんて誰にも分らないというが、実際のところそれは事実である。
現実の世界にはやりたくない仕事というのは世の中にごまんとあって、しかしながら誰かしらがそういう仕事をやってくれているので世の中は回っているものなのである。
筆者自身の仕事もそうである。以前筆者はある仕事をやるように仕事を割り振られたことがある。
その仕事の前任者が性格行動が最悪最低の人間であったので筆者自体やりたくないとその仕事を突っぱねた。筆者自身今の仕事をするようになって5年がたつが仕事がいやだと楯突いたのはそれが最初で最後である。
結局部長が自分を説得してきて、一回のヒラの自分も受け入れざるを得ずしぶしぶその仕事をやらざるを得ないことになった。
しかし実際にその仕事をやってみると意外な副産物がたくさん出てきた。
前任者の性格は最低であったが、赴任先の人間自体はまともな人ばかりで優しかったので仕事自体がいやにはならなかった。
また仕事量も前任の仕事より肉体的な負担が軽減され、一週間の仕事のペースが掴みやすくなり、仕事自体に余裕ができてきた。
仕事自体に余裕ができてきたことにより、それまで欠勤もあったのがそれもなくなり、有休も繰り越されて、仕事自体の評価も上昇した。
正直最初は嫌だなと思う仕事やイベントに面倒くさくても出席することで、実際にやってみると実は面白い、楽しい、素敵な出会いがある、というのは世の中に往々にしてよくある話である。
それはサッカー(野球)でもよくある話だ。自分はFWが大好きだと言っていた選手が実際にDFにコンバートされてみると守備は守備で面白いと思うのはよく聞く話である(分かりやすい例ではアオアシの青井葦人)。
実際のサッカーの話で言うと代表の香川真司もC大阪時代にはボランチだったのが、当時のクルピ監督に前のポジションをやりなさいと言われてトップ下をするようになって、日本代表のスタメンにまで成長したというし、古い話だと鹿島の名良橋晃も元はFWだったのが、当時の監督からウィングバックをやれと言われて、まったくわからないままコンバートの話に乗ってみたら、気が付いたら日本代表のスタメンになっていたという。
本来の自分のブログの趣旨からは外れるが、野球の世界でも投手から野手、捕手から三塁手など嫌々だったコンバートを渋々受け入れてやってみたら、意外と水にあったという話はいくらでもある。
昔、ラジオのインタビューで萩本欽一が「嫌な仕事に運がある。楽しい仕事は楽しんで失敗する」と言っていたが、その言葉は真実である。
自戒を込めて言いたいが最初話が来たとき「嫌だな。面倒くさいな。やりたくない」という仕事にはいい出会いや運が詰まっているから乗っかったほうが得である。
ある仕事が来た時には乗っかってみるというのはスポーツでも一般の人生でもなんでも大切であるような気がする。