サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 44 スポーツビジネスは修羅場な世界

筆者自身も若いころからスポーツビジネスという特殊な世界に興味をもって早20年。若いころはスポーツビジネスをやりたいと言っても、大学に言ったところで全く相手にされず、大学の科目でも体育学部で体育教師になるくらいしか選択肢はなかったのであるが、今では日本中の大学にスポーツビジネス学科が存在し、大きな本屋に行けばスポーツビジネスの専門の棚まで存在し、自分自身もこんな時代に生まれたかったと思うことは多い。

しかしその一方でスポーツビジネスという世界は実際のところはっきり言って激務の世界であって、今自分がやりたいかと言われれば、おそらく無理であろうと答えるしかない。

先日もSR渋谷の試合を見に行ったのであるが、水曜日のナイトゲーム。試合終了は当然ながら午後9時過ぎ。単なる客である筆者としては試合が終われば、すぐに帰宅すればいいだけであるが、ボランティアスタッフやフロントとしては、試合が終わっても後片付けや会場の清掃などやらなければいけないことは山ほどある。2時間かかったとして会場を出るのは午後11時。この日見たのは墨田区体育館であるので、東東京のハブ駅である錦糸町駅から徒歩3分という好立地だからいいものの、Jリーグなどではハブ駅からバスで40分という会場のほうが多いくらい。何のスポーツでも試合の日はフロントは39度の熱があっても休めない。ボラスタやフロントとは好きなだけではできないというのを、この日見たバスケの試合で強く感じた次第であった。

先日、仕事でお世話になっているサッカーファンの男性に話したことであるが「自分はスポーツが好きでスポーツビジネスをやりたかったのであるが、でも競馬が好きだからと言って騎手になれるか?パチンコが好きだからと言ってパチンコ屋を経営できるか?キャバクラが好きだからと言ってキャバクラを経営できるか?と言えば違うと思う。好きだからと言ってその仕事ができるか問えばそうではない。娯楽を仕事にできる人間はごくわずかで、それはすごく特殊な能力を持った人にしかできない仕事であるのだ」と自分は言った。

相手は好きではないとできない仕事であろうとも返されたが、少なくとも好きなだけではできない世界である。

そんな中でBリーグの某クラブの外国籍選手が麻薬の所持で地元の県警に逮捕されるというニュースがあった。

そのクラブのGMは当然引責辞任。再発防止にも動かないといけない。イメージダウンも計り知れない。数年前にはバスケ日本代表が遠征先で集団売春したスキャンダルがあって、当該選手の1年間の出場停止もあった。こうしたことがスポーツビジネスの現実である。

よく日本の大学でスポーツビジネスは楽しい世界みたいなことを言う上っ面なキャッチコピーがあるが現実のスポーツビジネスは実際のところ修羅場続きの仕事である。

今思うと負け惜しみでもなんでもなくスポーツビジネスに入らなくてよかったのかもしれない。プロスポーツ自体は楽しいのであるが、それを生業にするにはあまりにも過酷な世界である。

芸事を仕事にするのはなんでも厳しいのであるが、特にスポーツビジネスという仕事は修羅場な世界な気がする。