サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 13 ラグビーW杯飲食騒動とは結婚式と同じ

現在(2019年9月29日)ラグビーW杯の日本大会が各地で開催されている。筆者は全く観戦していないが、それでも気になる記事はあった。それを紹介する。

2019年9月25日の日本経済新聞(朝刊)で「食べ物の持ち込み、一転容認」「文化の違い 運営あたふた」とあった。

「『食べ物が買えない』『試合前に売り切れている』。21日夜に横浜国際陸上競技場(横浜市)であったニュージーランド南アフリカ戦。SNS(交流サイト)上には食べ物の売り切れを嘆く投稿が相次いだ。(中略)『空腹の人が大勢いる。ラグビーの世界最高峰の舞台としてふさわしくない」

という今回のラグビーW杯での日本の大会組織委員会の運営の不手際が大手各紙に掲載されていた。

試合会場内で食べながらの観戦というのは実は日本独特のものであるように感じる。日本のスポーツ観戦というというのは野球や相撲が主流だった。

これらの競技というのは試合の最中に流れというモノが分断される部分がある。投手がセットポジションに入って観戦している客もバッテリー間の動きに注視できる姿勢が整う。行司が軍配を返して観戦する客が力士の取り組みに意識を向けて、呼吸を合わせるタイミングを整える。野球や相撲の客はそうした動きの間にモノを食べて間を取って、試合観戦を楽しむ。

しかしサッカーやラグビーといった欧州を由来とするフットボールというのは常に試合の流れが流動的で、日本流の観戦スタイルのように観戦中にモノを食べていたら、目を離した隙にゴールが決まり、それがその試合の決勝点だったということも少なくない。

どちらの観戦スタイルが正しいという優劣があるわけではないが、日本式のスポーツ観戦スタイルが万国共通というわけではない。それゆえラグビー協会も本場欧州の観戦スタイルで会場内のフードの量を著しく制限してしまった。ゆえに今回のような会場内の不満につながってしまったように見える。

しかしこうしたスポーツのメガイベントの運営というのは往々にして結婚式と同じであると筆者は考えている。

それはどういうことかと言えば、ほとんど女性にとって結婚式というのは一世一代の晴れの舞台である。例外もいるが一生で一回しかないイベントである。

そのため、結婚情報雑誌を買い漁り、結婚式の予定を上げる女性は仲の良い既婚者の女性に結婚式で失敗しないポイントを多忙な時間を削って分析し、自分の結婚式に生かそうと努力する。

しかし結婚式というのは基本的にリハーサルなしの一発勝負。それなのに大抵の結婚式はあれだけ分析したのにやってみると穴だらけになってしまうものである。

こうした結婚式の顛末と今回のラグビーW杯の飲食物騒動というのは一発勝負のメガイベントの縮図という意味では実は共通しているように見える。

今回のラグビーW杯の飲食騒動をみているとこうしたスポーツイベントの読みの難しさを感じる。それはさながら結婚式を理想通りに行うくらい難しいことなのである。