サッカー&バスケビジネスのブログ

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私的蹴球論 32 日テレベレーザvsINAC神戸レオネッサを思う。

昨日(2020年9月12日)に東京の味の素フィールド西が丘日テレベレーザvsINAC神戸レオネッサとの試合があった。

野球で言うところの巨人阪神戦、Jリーグで言えば鹿島vs浦和くらいの好カード。子の好カードは筆者自身は見に行けなかったものの、日テレの深夜放送で観戦する事ができたので、録画してみることにした。

この試合は両チームともに日本代表の選手が多数集結していて、見どころの多い試合のように思えた。

試合レポートに関して言えば詳しい内容はもうすでに出ているのであろうから、個人的にこの試合を見て感じたことを書き連ねていこうかと思う。

まず第一になでしこの生命線というのはその技術にある。今の時代サッカーに限らず、すべてのスポーツに共通することとして、技術よりもパワーやスタミナのほうを重視する傾向にあると感じる。

サッカーで言えば、男子の試合を中心に特にテクニックはあるけど90分走れないベテラン選手はピッチ上からは淘汰されていく傾向にある。

しかしこの日の西が丘のピッチ上にいる22人の選手はそうしたパワー&スタミナサッカーという現代の潮流に逆行するかの如くイマジネーション豊かな技巧はサッカーを演出していた。

もともとこのカードというのは毎年なでしこでは5000人近く動員するような人気カード。今回もコロナで入場制限がある中で、1349人で「満員御礼」、当日券なしの状況で行われた。

それでいて、このピッチで戦う選手たちはJのベテランとは違い90分のスプリント走が可能な驚異的なスタミナやフィジカルのも兼ね備えた、日本有数のスポーツエリートの集合体でもあった。

「女子は男子に比べてフィジカルで劣る」なでしこの世界では常々言われていることである。

そしてその一方で女子の世界はその分個々のテクニックで男子より上回らないとどうにもならないということもある。

そのうえでこの試合でよかったのは、両チームともに戦術理解度が高いというか、11人ががどのようにして効率的に動くことができるのかという緻密な考えがしっかり浸透されている気がする。

INACの監督はJでも指揮を執っていたドイツの名将のゲルト・エンゲルスであるし、なでしこがW杯で優勝してもう9年がたつのだが、昔あるヨーロッパ人監督が言っていたが「サッカーでは常に選択肢を3つは持て」とあった。この日西が丘で雌雄を決していた22人の戦士たちはそうした複数の選択肢を常に保持したうえで、その都度最善の判断を選び取ることが可能なサッカーIQの高いプレイヤーであったように思える。

なでしこに関してはまだまだ書きたいことがあるが今日はここまでにしておきたい。試合は結局2-1でINACベレーザを破ったわけであるが、この試合はテレビではなく生観戦したかった。それだけの好ゲームであった。

早くコロナが落ち着いて普段のサッカー観戦ができるようになってもらいたいものである。