サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 8 選手の移動

自分は今、サッカーとバスケットを中心にスポーツビジネスのブログを書いているわけであるが、本来の趣旨とは異なるスポーツであるがプロ野球を例に挙げて、選手の移動を中心としたスポーツビジネスを考えてみたい。

以前某スポーツライターやネット長者がプロ野球16球団制を推奨したことがあった。静岡や南九州などに野球のマーケットとしての潜在的な購買意欲が眠っているという話である。

確かにその話は間違いではない。地方都市にはそうした潜在能力のあるマーケットがあるのは事実だ。

しかしこうした球団増に対してネックになるのが、冒頭のタイトルにある選手の物流すなわち移動手段の問題である。

今、広島カープは優勝できるような球団であるが、最初カープが強豪になる前の貧弱球団だった時なにがきつかったかと言えば、選手の移動だったという。

カープの初優勝(1975年)というのは山陽新幹線が開通した年と同じ年で、それまでカープは特急を使い岡山で乗り換えて、大阪まで3時間半、名古屋まで4時間40分、東京まで6時間40分かかっていた。

しかし山陽新幹線の開通により、選手の移動の負担が大幅に改善され(選手の努力もあったが)選手の物流の緩和がのちの初優勝につながったともいわれている。(参考文献 プロ野球と鉄道  田中正恭 2018年 交通新聞社新書)

現代のスポーツビジネスでも球団増の壁なのがこの選手の移動だ。

かつてベイスターズが新潟に移転する話が合ったが立ち消えになったのも選手の移動の問題である。新潟から日本各地に選手が移動するのにはどうしても無理が生じる。

個人的に筆者はサッカーのブログを書いているのであるが、サッカーJ・ガイナーレ鳥取の場合、大阪の伊丹空港まで4時間かかるという。もちろん伊丹空港から飛行機で目的地まで向かうくらいだから選手の肉体的疲労は推して知るべしである。

またJ2・水戸ホーリーホックの場合でもツエーゲン金沢と試合する場合、水戸からバスで2時間かけて群馬県高崎市に移動し、そこから北陸新幹線で金沢まで2時間かけて移動する。華やかなプロスポーツでも移動の問題というのはタフな問題である。

個人的に思うのがスポーツを仕事にして指導者や裏方といった年配の人たちはこうした移動もこなさないといけないという意味で若い選手以上に厳しい。

筆者も最近プロバスケを見ているがB3リーグだと、北は岩手から南は鹿児島まで長距離移動を強いられている。

サッカーも4部のJFLだと金曜日まで仕事をして、そこから土曜に移動して日曜の昼に試合。試合後にまた月曜の深夜に帰宅して、月曜の朝から仕事という殺人的なスケジュールの仕事をしている強者までいる。

今回は選手の移動について考えてみた訳であるが選手の移動というどちらかというと地味な問題であるが、スポーツビジネスを考えるうえで選手の物流というのも試合という品質維持のためにはしっかり考えないといけない問題である。