サッカー&バスケビジネスのブログ

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私的スポーツビジネス論 46 良くも悪くも閉鎖的で特殊な韓国

先に断っておくが自分は韓国という国は以前は好きであった。日韓W杯で韓国語を勉強すればスポーツビジネスの世界に入れるかもしれないという、今思うと幼稚な考え方で韓国語を独学で勉強していた時期もあるし、今の日韓関係は慢性的に最悪な状態が続いているが、それでも韓国という国は自分にとってはそこまで生理的嫌悪感がある国ではない。

しかしその一方で女性の自殺率が世界最悪だったり、出生率も低かったりネガティブな側面が見えて韓国に以前ほど興味がなくなってきたのも事実。今の自分にとって韓国は肯定も否定もしない国。かつて韓国のことを「地理的に一番近く、心理的に一番遠い国」といった人がいたが、自分にとっては近くも遠くもない単なる隣国の一つに過ぎないという感覚しかない。

さてそんな韓国。長年韓国ウオッチャーだった筆者からすると、韓国スポーツ界はいろいろな意味で閉鎖的な世界だな、といつも思ってしまう。

というのも今の韓国プロ野球がどうなのかはわからないが、一時期韓国プロ野球に移籍する外国人選手について、少し調べていた時期もあったが、10年くらい前の韓国プロ野球というのは外国人枠がわずか2しかなかった時期があった。日本に比べたら圧倒的に少ない数字であるように感じる。

サッカーに目を向けると日本代表のGKだった川口能活ジュビロでチームメートの韓国人に対して「Kリーグでプレーしたい」といったら、その選手は「川口さんは韓国ではプレーできないんです」と返した。当時のKリーグのルールではGKは韓国人しかプレーできないことになっていて、外国人GKは認めないことになっていた。Jリーグでは韓国人GKが普通にプレーできているのにKリーグは閉鎖的だなと感じたことを覚えている。

最近観戦するバスケットでも外国人枠が2しかなかった時期もあった。今のBリーグではベンチに入れる外国人選手は3だし、帰化選手やアジア枠もあるのであるが、韓国のプロバスケも閉鎖的であると思った。

後韓国のプロバスケが特殊だなと思うのは身長制限という韓国特有のルールがあって、身長が2m以下の選手でないと外国出身選手は韓国でプレーできないという決まりである(その年のルールによる)。2mちょうどというと一般人では大きいとおもうかもしれないが、バスケットの選手では小さいほうである。アジア人は骨格の面で黒人や白人に劣るので自国民保護の観点からできた特殊なルールであるように感じる。

こうして韓国のスポーツ界における特殊かつ閉鎖的なルールを上げてみたが、基本的は考え方の底流にあるのが自国民(すなわち韓国人)の保護政策であるということである。

韓国人という民族は「ウリ(私たち)」と「ナム(あいつら・よそものたち)」という線引きが日本人のそれより強くて激しい。韓国人にとって外国人というのは基本的自分たちとは違うという観点から物事を考えている。

だから自国のプロスポーツが日本の大相撲のような外国人天国になって発展するよりも狭い世界でも自国民の利益を確保するように考えるようになっている。これは日本が正しいのか韓国が正しいのかという問題ではなく、国としての価値観の違いである。どちらが正しいというものでもないのだ。

なお余談だが、このブログを書いていた数日前にサッカーの日韓戦があって日本が韓国に3-0で勝利した。韓国が弱くなったのかという話をする人がいるのであるが、所詮は親善試合である。本気モードの韓国が見たければ五輪予選かアジア大会を見ればいい。

韓国のスポーツ選手は五輪の金・銀・銅メダルかアジア大会の金メダルを取れば徴兵免除である。韓国人男性は兵役は納税と同じ国民の義務である。しかし韓国人男性はみな軍隊になんか行きたくないからこうした試合には目の色変えて頑張る。サッカーのソン・フンミンも2018年のインドネシアアジア大会で優勝して徴兵免除を勝ち取った。

他に徴兵免除のためにはサンムという韓国陸軍のスポーツ部隊が警察チームに入るしかないがいずれも狭き門である。筆者は日本人に生まれて本当に良かったと心底思っている。

今回は知っているようで知らない韓国のスポーツ界について考えてみたが、こうして文字にしてみると韓国のスポーツ界というのは改めて閉鎖的で特殊な世界だなというのをつくづく感じる。この先の日韓関係がどうなるかは凡人の筆者にはわからないがもう少し韓国のスポーツが良くなることを願うばかりである。