サッカー&バスケビジネスのブログ

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私的スポーツビジネス論 50 シャトルバスは重要

先日千葉県某所で女子サッカーの試合を見に行く機会があった。その試合の試合会場は駅からかなり離れた僻地で今までは駅からレンタルサイクルを借りて試合会場に行かなければならないという不便な環境であった。

しかし今回の女子サッカーの試合では地元のバス会社と連携して、駅から有料のシャトルバスが運行されていた。正直これはかなり助かった。

筆者自身サッカーとバスケットを観戦する生活を今しているわけであるが、バスケットで1部リーグの強豪でもシャトルバスを運行せず帰りは遠い駅まで徒歩で帰らないといけない、もしくは試合観戦を途中で切り上げて路線バスで帰らないといけないチームもある。

サッカーでもプロのチームはシャトルバスを運行しているクラブはあるものの、4部以下のアマチュアのチームになると上記の女子サッカーチームみたくシャトルバスを運行しないチームもある。

チームによってはアマチュアでも1000人集められるチームもあるが路線バスに乗れる人数なんてせいぜい20人が限度。あとはひたすら次のバスが来るまで待っていないといけないという苦行をしないといけない。サッカーでもバスケでもこれで興行と言えるのかと思ってしまうことも数多くある。

正直サッカーだろうがバスケットであろうが、駅から遠い試合会場を本拠地にするチームはお金がかかってもシャトルバスを準備するべきである。

よくプロスポーツチームのフロントはいい選手を集めて強いチームを作って敵を倒せば右肩上がりに業績が上がると勘違いしているが、実際のところスポーツビジネスというのは来場していただいたお客様にどうやって安全に最寄り駅まで送り届けるかということを考えるのも重要なのだ。

少し本筋と違う話になるが、プロ野球で巨人の試合を見てみると東京のど真ん中でJRと数多くの地下鉄が東京ドーム近くに隣接し、特に目立った混雑もなく首都圏近郊のファンの家まで送り届けることができている人的流通システムというのは、スポーツビジネスを考えるうえで実はすごいことのように思える。野球ファンはそれができて当たり前だと考えているが、この東京ドーム近辺の交通網の利便性の高さというのは実際にものすごくレベルの高い構造にあると筆者は考えている。

話をシャトルバスに戻す。近年様々なプロスポーツが生まれ胎動している。こうした競技団体のトップというのは強いチームを作って勝ちまくれば勝手に客はついてくると勘違いしている人間も多い。

しかしどれだけ感動的な試合をしていても帰りに車で来て渋滞に巻き込まれたり、路線バスで待たされていたら、競技に対する興味も熱も下がって、人気が停滞するのは目に見えている。

スポーツチームのフロントにとってチームの戦力強化というのも大事なのであるが、ちゃんとシャトルバスを準備して最低限お客様を最寄り駅までは安全に送り迎えするという責任も同時に必要なことのように見える。

今回はシャトルバスは重要という当たり前なことを書いたのであるが、そうした当たり前なことができていないチームというのはじてゃ日本中にたくさんあるので、あえてその重要性について書いた次第である。