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私的蹴球論 38 堂安律と堂安憂

堂安律。今更こんなブログで紹介する必要もないくらい有名なサッカーの現役日本代表FW。現在はドイツ・ブンデスリーガでプレーしている世代別の代表にも選ばれた日本サッカー界の至宝。堂安律のことを知りたければ、筆者のブログを読むより,wikipediaやNUMBERでも読めばいくらでも出ている。

堂安憂。WHO?彼は堂安律の実兄である。ガンバユースの律とは違い、憂は高校サッカーで冬の選手権で全国大会に出場し、(余談だが律はガンバだが、憂は育成世代の時はセレッソの下部組織にいた)、関西のスポーツ強豪大学を経て、J3長野パルセイロに入団するも、契約満了。関西リーグでプレーした後、今シーズンに引退を表明した。

筆者はこの事実について二つのことについて言及していきたい。

一つ目は、よくJ3はレベルが低いというが、それは否定はしないが、J3リーガーであろうが、ブンデスリーガーであろうが、子供のころの育成に対する金のかかり方というのはほとんど変わらない、ということである。

筆者自身は独身であるので子育ての経験はないのだが、基本的に親というのは長男も次男も同じくらいかわいいものなので、程度の差はあれど、そこまで才能の差で教育費に差をつけないはずである。

それもそうだが高校サッカーやサッカー強豪大学への学費というのも相当高額である。よくJ3に対して否定的な意見も多いが、このクラスの選手でも高校サッカーでは上位進出できるくらいの実力者というのはゴロゴロいるのである。

また相当親がサッカーに金をかけてもそれに見合ったリターンがない選手というのは本当に多いということも分かる。

もう一つ言及したいことが「次男は長男よりサッカーがうまくなる」理論である。

よくこうした理論をしたり顔で言う人間がいるが、配慮の足らない言動であると思ってしまう。

確かに堂安憂というプレーヤーは世間から目を向けられずひっそりと引退したのかもしれない。しかし長男の人生というのは決して次男の捨て石などではない。またサッカー選手を引退しても次の人生のほうが長いのである。

確かに堂安律のプレーというのは素晴らしいし、日本代表としても期待してしまう部分も大いにある。

でも次男のほうが長男が優位だと言って自分はサッカー通だと思っている人間は、世の中にはサッカーよりももう少し大事なことがあるということに気づくべきである。

自分は堂安家の両親ではないが、次男は長男よりも成績優秀だから次男のほうがかわいいということにはならないであろう。親ならサッカーの成績に関わらず、長男も次男も同じくらいかわいいと思うはずだ。

筆者自身は核家族化が進む現代では絶滅危惧種である三男であるが、スポーツでは全く成功していない。だから「次男優位論」にはいつも異議を唱えたくなる。

今回はサッカー日本代表の兄弟にまつわる話について、日本のサッカー界の問題をとらえてみたが、日本のサッカーメディアは結果至上主義が高ずるあまり何か大切なことを見落としているような気がする。

筆者自身堂安律には大きな期待をしているのだが、その一方で見落としてはいけないものもあるような気がしてならない。サッカーは華やかな日本代表だけではない。