サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 24 蹴球は「緊張感」。籠球は「解放感」。

筆者もサッカーとバスケをを兼業で観戦するようになってはや5年近くになる。春から秋にかけてはサッカーを見て、冬にはバスケを見るというサイクルがうまくハマり、今では一年通して退屈しない生活のリズムが構築されている。

そうした中でのサッカーとバスケの違いは何なのかと言えば、冒頭のタイトルにある「緊張感」と「解放感」の差であると筆者は考えている。

サッカーというスポーツというのは究極のロースコアゲームである。基本的に人間の体の中で最も器用な動きをすることができる手という部位をほとんど使うことができずに、代わりに足だけで身体の移動とボールの操作の両方をやらなければならないという、よくよく考えてみれば非常に不便なスポーツである。

移動するピッチの広さも広大である上に、実質的に足しか使えないから他のスポーツに比べてミスを犯す割合が必然的に高くなるスポーツでもある。

そうした中でのサッカーという競技。サッカーに限らずロースコアスポーツ全般(アイスホッケーなど)に言えることであるが、こうした特典が動きずらい競技というのは、往々にして番狂わせが起こりやすく、またサッカーの場合、格下のチームが序盤に偶発的なゴールを決めて、そのあと試合のほとんどの時間を攻撃しないで自陣に引きこもるドン引きの塩試合になってしまうことも多く、そうした試合になってしまうと客にしてみれば悲惨なものである。

そこまでいかなくてもどうしても得点が無いからスコアレスドロー(0-0)になってしまうことも出てしまう。

そんな競技なので試合観戦しているときにドリンクホルダーに入れたペットボトルに目をそらした瞬間にゴールが決まってしまい、それがその日唯一の得点シーンということも珍しくない。

筆者自身ジェフ戦で前半終了間際にトイレに行っているときにジェフが先制点を決めて、1-0で勝利という経験がある。

そうした競技の特性のためサッカーは常に目を離せない「緊張感」が付きまとう。

その一方でバスケという競技は真面目に試合観戦をしていれば基本的に得点シーンというモノには必ず出くわす。しかも何回も見ることができる。

バスケの場合、基本的に身体の移動は足でボールの操作は手であるから、サッカーに比べてミスする要素は必然的に少なくなっていく。ミスが少ない分得点シーンもおのずと増える。

そのうえでバスケの場合、サッカーのピッチより狭いコートの中でショートパスをつないで攻守の切り替わりが速くなる。

そのうえ得点のバリエーションも1点から4点(3ポイントシュートでディフェンスがファウルしてたうえでゴールした場合、3点が認められるうえにフリースロー1本が与えられる)もあり、その得点手段の多様性は、試合の結末が先の読めないスリリングな展開へとつながる。

そうしたバスケという競技はサッカーの持つ緊張感というよりは、むしろ「解放感」を楽しむような性質の競技にあるように思える。

以前会社の先輩で「たまの休日にサッカーを見て0-0だった時に、何にその日の救いを求めればいいのかわからん」と言っていた人がいたが、そういう人はサッカーよりもバスケを見たほうがいいように思える。

今回はサッカーとバスケの競技の特性を説明してみたが、サッカーとバスケという競技に優劣はない。しかし特徴の違いを把握することによって、よりそれぞれの競技を楽しむことができように感じる。