サッカー&バスケビジネスのブログ

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私的スポーツビジネス論 20 外国人選手の補強

昨日(2020年1月4日)渋谷でBリーグ観戦に行ってきた。結果から言えば筆者が応援しているサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)が20点差をつけての快勝だった。ただ今回話したいのはその勝因の分析ではない。

バスケであれ、サッカーであれ、野球であれ、そのチームが真の強豪にのし上がるために必要なことは何かという話である。

結論から言えば冒頭のタイトルにある「外国人選手の補強」が好成績か否かの分水嶺になるのである。

もっと突き詰めて言えば、外国人が日本に馴染めるかどうかというのが重要になっていく。

筆者がJリーグで応援しているJ2のジェフ千葉というチームも10年来2部リーグに甘んじているのも、ひとえに外国人選手の補強に失敗し続けているからに他ならない。

筆者の兄がアメリカで駐在員の仕事をしていたので話を聞いていたのだが、海外の娯楽というのはすぐ飽きてしまうし、商習慣や常識も違うからストレスがたまりやすいらしい。

愚痴を聞いてもらうにも日本語が通じる人間の絶対数が海外に行くと限られるので、そういう人間を探すのにも一苦労なのだという。

仕事だからストレスがたまるのはある種仕方のないことにしても、問題はそのガスのはけ口が買い芸で仕事をしていると見つけづらいことだ。

そのため筆者は兄に国際便で日本の漫画を郵送したし、両親は(まだネット動画が普及する前だったので)ビデオ録画したタモリ倶楽部を大量に抱えて渡米したのを覚えている。

帰国した兄に「あんな番組をわざわざ見たいの?」と訊いたら、兄曰く「海外で生活しているとああいった番組が恋しくなるんだ」と力なく答えた。

話を外国人補強に戻そう。バスケやサッカー、野球においてそれぞれの祖国で抜きんでた実力のある存在であるのは間違いない。しかし外国人にしても異国の地で結果を残すのは並大抵のことではない。

バスケ日本代表でアメリカから日本に帰化したニック・ファジーカスは自身の著書である「決断」の中で、

「ベルギーに住んでいたオステンデという町は小さく、退屈だった。もし(チームメイトの)デーヴがいなかったら、気が狂っていたかもしれない。話し相手がいて、心底助かった。」

とある。日本代表の大黒柱であるニック・ファジーカスでさえ海外の環境になじめずして持ちうる潜在能力を発揮できなかった時期があったのである。こうした事例はバスケに限らず、サッカーや野球のも枚挙にいとまないのであろう。

また以前読んだ巨人ファンのブロガーである中溝康隆の本にも環境適応能力の高いアメリカ人選手が同胞の選手にJRの自動券売機の使い方を伝授する話があったが、日本人が思っている何倍も外国人が日本に馴染んでいくのは大変なのである。

そうした中での冒頭のSR渋谷のセンター(ゴリのポジション)であるチャールズ・ジャクソンは昨日の試合でもリバウンドを取りまくりチームの勝利に貢献した。

昨シーズンまでのセンターであったロバート・サクレがいきなりバックレて引退。各チーム補強が終わりかけているときに抜けたのでトルコリーグ経験者という、プロ野球メキシカンリーグ首位打者みたいな微妙な数字を出されたような気分であったが、ジャクソンは日本に対する環境適応能力は高かったようだ。

バスケであれ、サッカーであれ、野球でであれ、異文化の環境にいきなり投げ出されてエコムというのは想像以上にタフなことである。ジャクソンに限らずこうした異文化に溶け込むことに秀でた外国人選手を筆者は無条件に尊敬する。

外国人の補強というのは突き詰めていけば、異文化適応能力というモノに特化しているのかもしれない。