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私的スポーツビジネス論 17 問題はW杯の「後」

秋の風がなびく昨今、ラグビーW杯が大成功に終わり、普段ラグビーの「ラ」の字も言わないような人たちも今回ばかりはニワカラグビーファンになって、いい意味でお祭り騒ぎになって国民全体が楽しいイベントになったような気がした一か月であった。

しかしそうしたウキウキするような雰囲気に水を差すわけではないが、筆者自身以前やっていた別の無料ブログでもそうなのだが、こうしたW杯や五輪というのは大会期間中盛り上がるのは当たり前で、むしろ大会終了後から競技の普及の本当の闘いが始まるといっても過言ではない。

このブログを読んでくれた人に聞いてみたいことであるが、2018年の平昌五輪で日本のメダリストや活躍した選手を何の資料も見ないで何人ソラで名前を言うことができるのか?という話である。

以前為末大が言っていたことであるが、オリンピアンの賞味期限というのは大会終了後1年半が限度であると言っていた。現役時代はメダリスト(もしくはアスリート)の特別枠でテレビなどで出させてもらえるのだが、いったん引退して普通のタレントになると、そこからは特別扱いは一切なしで一人の芸能人として、周囲の芸人との限られた枠を奪い合うガチンコバトルが始まるのだという。

本来のテーマの趣旨からだいぶ脱線してしまったが、東京五輪をまじかに控えた東京を中心とした日本は何かにつけて五輪やW杯を神聖なイベントのように扱っているが、実際のところ前述のメダリストのようにアスリートの賞味期限というのは想像以上に短いのである。

そうしたうえでのW杯なのだが今回のラグビーの件を見ていて気になるのは、なでしこ(女子サッカー)の世界である。

ラグビーW杯と前後してなでしこの代表の強化試合が静岡市清水区であったのだが、この観客が8123人であった。サッカーどころ清水であってもなでしこの代表で1万人の集客がいかなかったのである。

それと個人的に最近見ていることであるのだが、2018年・2019年と10月20日に西が丘サッカー場日テレ・ベレーザvsINAC神戸レオネッサの試合を見るようになった。

昨年も今年も天気は晴れ。湿度も高くなく絶好のサッカー日和。小学生以下は無料でキックオフ時間は2018年は午後2時、2019年は午後3時とほぼ同じ、違うところは2018年は土曜日開催、2019年は日曜日開催といったことか・・・。

2018年にベレーザは5000人の集客ができず(4663人)、今回はリベンジして5000人の大台に乗せたいと鼻息が荒かったが、ほぼ同じ条件の今回の試合はリベンジどころか客足が減少(4496人)してしまったのだ。

周知の通りなでしこは2011年に世界一になった経験のあるチームである。そんななでしこでも時間が経過してしまうと人気というモノは風化してしまうものである。

翻ってラグビーである。今のラグビー界は結婚で言うところのハネムーンみたいなもので幸せいっぱいである。しかしそうしたハネムーンはいずれ終わる。大会が終了して次第にW杯の思い出も風化してしまうことも考えられるのである。

日本のW杯も五輪も大会だけやってあとは勝手にほったらかしでは、真のスポーツ文化というのは根付かないのである。