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私的蹴球論 27 スポーツは人種差別をぶち壊す役割

先日野球の本を読んでいて、ジャッキー・ロビンソンの記事があった。ジャッキー・ロビンソンがどういう人か説明すると、それまでのアメリカというのは人種差別が強く、白人はメジャー・リーグでプレーするも、黒人は二グロ・リーグという黒人だけのリーグでプレーさせられることを余儀なくされた。(ちなみに二グロという言葉は差別用語なので黒人の前では絶対使ってはいけない)。

しかしジャッキー・ロビンソンはそうした黒人の中でも次第に頭角を現し、メジャーリーグでのプレーができるようになった。

しかしそこにはオーナー会議で猛反対を受けたり、並々ならぬ逆風も受けていた。

ただそうしたジャッキーの実力を認めたブルックリン・ドジャースのオーナーのブランチ・リッキーやMLB第2代コミッショナーのハッピー・チャンドラーというりかいしゃもあり、1947年にジャッキー・ロビンソンは晴れてメジャーリーガーになれた。

この本を読んだ後また別のサッカー本を読んだ。

サッカー・ブラジル代表のFWにレオニダスという選手がいた。レオニダスがいた当初のブラジル・サッカー界というのは白人至上主義で、彼が名門クラブのフラメンゴに入団した時は、同クラブ初の有色人種の選手だった。

しかしブラジルのサッカー界も、前述のアメリカ野球界同様に有色人種を戦力にしないと勝てなくなる状況になった。

そうしてレオニダスは活躍するうちにブラジル代表に選出。1938年のサッカーW杯フランス大会では準決勝でイタリアに敗れるも、大会通算7ゴールを挙げ得点王になった。

こうした時期にブラジルのサッカークラブも有色人種は雇う価値があると気づいて、どんどん彼らをチームに引き入れ、今のブラジルサッカー界では有色人種がいて当たり前になった。

この二人以外にも、野球のトルネードの野茂英雄やボクシングのフィリピン人・マニー・パッキャオのようにそれまでアジアやオリエンタルといった人種が、白人や黒人より劣っていると思われていたのが、彼ら自身の活躍により、アジア人も胸を張ってもいいんだということに気づくようになる。

スポーツの世界というのはどんどんグローバル化していく一方で、それに反発するような外国人排斥運動も過激化していく一方だ。

そうした中での今回のコロナ騒動での黄禍論(東洋人迫害)やアメリカの人種差別問題がグローバル化の行き詰まりを起こしている。

もちろん一部のスポーツ選手の活躍が人種差別のすべてを解決できわけでもない。

しかしだからこそ今の民族問題や人種差別が噴出しているからこそスポーツはそうした人種差別の壁を壊す働きもあるということも頭の片隅に入れておきたい。