サッカー&バスケビジネスのブログ

サッカー(ジェフ)やバスケット(SR渋谷)、スポーツビジネスについてのブログ

私的スポーツビジネス論 28 スポーツビジネスはやくざな世界だ

今回コロナウィルス騒動で世界中が大騒ぎしたわけであるが、その少し前をしたい。

数か月前に筆者は大掃除をしようと思い付いた。筆者自身こういうスポーツのブログを執筆している身の上である。そうした資料というのは狭い自宅の中に膨大な量を所有していた。

それは資料だけでなくスポーツ漫画も同様である。スポーツ漫画というのもある種の資料と同じ価値がある。そのため心に残った作品というのは大切に保存をしておいた。

しかしそうはいっても家のスペースというのは変わらないわけで、それなのに本や漫画を買い足していけば当然足の踏み場もなくなっていく。

そのため筆者はコロナ騒動の少し前に資料を制限しようと思い立ったわけである。

そうした中で高く売れるのは漫画である。あまり新古書店というのは漫画家にとって百害あって一利なしの存在でもあるのだが、そうも言ってられない。とにかく足の踏み場もない環境を改善すべくどんどん売りに出す。

筆者の近所にある新古書店というのは出張買取サービスをしていない。そのため筆者は毎回大量の漫画を書店に運ばないといけなかった。

そうした中で第一陣でいったときに、高価買取漫画の表が出ていたのでそれに目がいった。

そこには筆者自身が個人的にその年の最優秀作品に指定したくなるようなくらい素晴らしい出来栄えだったスポーツ漫画が高値で買い取りされていた。

筆者自身頭の中でソロバンをはじいた。この漫画はずっと取っておきたい作品だったが週刊連載でこの先どんどん置き場を取るのは間違いない。そしておそらくおそらくこの漫画の買取値のピークは今であろう。これから買取値が下がることはあっても上がることはない。それならば売るなら今だ、と。

翌日筆者はその漫画を売りに出した。あれだけハマり、あれだけその漫画のセリフに助けられたにもかかわらず、あっさりとその漫画を売りに出してしまった。自分自身の心の中が金に染まっているのかと軽く自己嫌悪にもなった。

それが今回のブログのタイトルと何に重なるかと言えば、スポーツビジネスというのも本質的にはこうした漫画の売り買いと同じ自分の思い入れのある感情を売り買いするようなやくざな世界という意味では同じであると思えたのだ。

スポーツビジネスというのもある意味において同じ世界である。言葉を換えれば人身売買の世界ともいえる。昔ある野球漫画でスカウトが自身のことを「人買い」と自嘲気味ったことがあったが、自分の好きな世界で自分の思い入れのあるものを売り買いするということはそれだけでやくざな世界であるといえる。

今の時代、好きなことで飯を食うことが難しい時代にもなってきているのだが、そもそも好きなことで食っていくということ自体がこうしたやくざな世界であって、よくわかない大学の広告にあるような「好きなことで生活していくのは楽しいことだらけ」なのではなく、好きなことだからこそより苦しいことも増えていく部分もあるのである。

今回はそうしたスポーツビジネスのみならず娯楽を商品にすることそのものがやくざな井田ということを伝えた訳であるが、スポーツビジネスというのも本来はそうした楽しい世界などではなく、本質的に感情を売り物にするやくざな世界なのである。このブログの読者にはそれを理解してもらいたいものである。